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習熟したい人のためのピラティス・テキスト
PILATES Matery マットワーク編
著:Amanda Terease, Marena Digby, 新関真人DC
発行:スキージャーナル株式会社
ISBN:4-7899-2101-88
定価:2,520円(税5%込み)

はじめに

オーストラリアのピラティス・インストラクター向けトレーニング教材をもとに制作した、本格的な辛口ピラティス本です。 日本の読者のために書き下ろしされたもので、翻訳本ではありません。ビギナーから中級/上級者、さらに臨床家が読んでも役立つ情報を満載しています。




ピラティス・マスタリーを企画・制作するにあたって、以下のポイントに気を配りました。

ポイント1・ピラティスはヨガの亜種ではない!

ヨガとピラティスは、どちらも呼吸法を大事にし、心と体を鍛えていくエクササイズの方法です。このことから、 二つは混同されがちですね。ピラティスのことを、「西洋のヨガ」と呼んでいる人もいます。
ところが、生まれや育ち、エクササイズの基本、方法論には、大きな違いがあるのです。 ピラティスは、ドイツ人、ジョセフ・ピラティスさんによって考案された、独自のエククサイズ法です。 これを踏まえて、「ピラティスは決してヨガの亜種ではない」という“こだわり”のもとに、 この本を作りました。
ピラティスの歴史、概要は、こちらをご覧ください。

ポイント2・エクササイズは質より量

ピラティスが目指すのは、量より質のエクササイズです。だらだらと運動するのも、それなりに意味はありますが、 ピラティスの目指すのは、高質で高効率、目的到達型のエクササイズのエクササイズです。 ピラティス・8つのキーワード(Concentration:集中力、Breathing:呼吸法、Concentration:集中力、Breathing:呼吸法、 Core Connection:コア・コネクション、isolちtion:アイソレーション、Control:コントロール/コントロロジー、Precision:正確性、 Fluidity:流れ、Integration:全てを一つに統合)を念頭に置いて行います。 体を正しい位置において、動きに集中しましょう。自分の体に何が起きているのかを感じ取りましょう。

ポイント3・コア(パワーハウス)の関節、筋肉、神経による安定性

コアによる脊柱(つまりは体全体)の安定性に、たっぷりとページをさきました。 現代リハビリ医学の考え方からビラティスが重視するコアを解説しています。
関節が痛みが無く運動するには、関節が安定している(ぐらぐらしない)必要があります。 まず大切なのは関節の形や靭帯の働きで、これらを「受動的な安定」と呼びます。 関節の安定に必要不可欠なもう一つの要素が、「能動的な安定」で、筋肉のトーンを指します。 特に、インナーマッスルや単関節筋のトーンが重要です。 ピラティスが重視するインナーマッスルは抗重力筋です。その名が示す通り、重力に対抗することをメインの仕事とする筋です。 特徴として、縮むスピードは速くないものの、長時間の収縮に耐える事が出来ます(緊張性収縮と呼びます)。 インナーマッスルを使う事で、体中にあるセンサーからの信号の量が大きく増えますから、中枢神経(脊髄や脳)はより多くの情報を得ることが出来ます。 インナーマッスルを働かせることで、脊椎の安定性、ひいては体中の安定性が向上するのは、こうした仕組です。 ピラティスがインナーマッスルにこだわるのは、関節を「動的/ダイナミック」に安定させる(ぐらぐらさせない)ために必要なことだからなのです。

ピラティスの初心者から、中級/上級の読者まで、広い層に使っていただけるテキストを目指しました。 安全で、手軽なエクササイズを紹介する一方で、コア/パワーハウスや呼吸法はもちろん、お腹(おなか)や肩の解剖や機能、動きの前の姿勢(ボディ・プレースメント)についても深い説明を加えるなど、かなり辛口/専門的にもなっています。ピラティスをもっと深く知りたい人、気になっていた細かい点を解明したい人に、是非読んでいただきたい内容です。

共著のアマンダとマリーナは、オーストラリアのピラティス教育のバイオニアです。 二人が作ったインストラクター養成のための教材もとにして発展させたのが、本書ピラティス・マスタリーです。 運動大国オーストラリアで、実際に使用されている指導書をもとにしていますから、 ピラティス・インストラクターが必要な知識をたっぷり詰め込まれいます。 巻末P.183〜188には、インストラクターのためのページも収録しています。指導する側の人に、是非読んでいただきたい内容です。

腰痛や肩の障害の治療に、従来の、医師/治療家→患者の一方通行的なアプローチから、患者が参加して、「自分でも治していく」方法が一般的になろうとしています。 これをアクティブ的なケア(Active Care)と呼びます。リハビリを発展させたものだと考えてください。特に注目されているのが、腰痛症へのアブローチとしての「腰椎〜骨盤の安定化です」。従来のアスターマッスルばかりに注目した時代は終わり、深層のインナーマッスルの機能回復がスポットライトを浴びています。本書では、その導入として、腰椎〜骨盤(ピラティスではコアと呼びます)の解剖や機能を始め、非特異性腰痛に対するリハビリ・エクササイズをステップ1〜6まで掲載しています。治す側の人にも、是非読んでいただきたい内容です。

著者1:Amanda Terease
著者2:Marena Digby (The Pialtes Company, Positive action)
著者3:新関真人DC

撮影:Andy Tavares、小倉正裕
モデル:Sachi Garrette
カバー&本文デザイン:design CHIPS
イラスト作成:新関真人
編集:田辺治樹(スキージャーナル社) 兼子美保子


習熟したい人のためのピラティス・テキスト
PILATES Matery マットワーク編
著:Amanda Terease, Marena Digby, 新関真人DC
発行:スキージャーナル株式会社
ISBN:4-7899-2101-88
定価:2,520円(税5%込み)
2011年10月13日
2006年10月20日


第2刷発行
第1刷発行